「どうしてですか?」

「それをあの人が望んだからです」

深い森の入り口に居た女は言う。彼女は森の、いや。

『彼』の番人だそうだ。






 

でこぼこした一本道を歩く。

「静かなところだね。いいところだ・・・・・・」

「「ただその代わりに何も無いですね」」

「いいじゃないか。潔くて私は好きだよ」

声は二人分。姿も二人分。

手の中で石をもてあそぶ子供と、黒い衣装の女

けれどどこかかみあっていない違和感。声と姿が一致していない。

傍から見れば実に奇妙な二人連れだった。

しかしながらそれを気にするような人間はどこにも見当たらない。実に人口密度の低い農村。
中でも村はずれのこの場所は鳥のさえずりと木々のささやきしか聴こえないのだった

実に長閑な場所。


「「この近くにロクジュさんがいます」」


「その人は何を望んだのだっけ?」



第2話 『望んだ事全てが叶うようにしてほしい』


唄うような軽い口調に思わずテンの顔が緩んだ。
「やったもん勝ちネタだよねぇ。どうしてもっと早くみんな願わなかったんだろう?」

「「灯台下暗し。まさかそんな裏技があるなんて普通は思わないでしょう」」

テンの前の、その前に願いを叶えたのがロクジュ。

その彼を石は「世界で一番強欲な野心家」と評した。
「世界で一番運に見放された男」とも言っていたが。

石の性質上誰もその同じ願いを叶えることは出来ないが、

ロクジュ氏に頼めば全てをかなえる事が出来たのではないだろうか?

むしろ今のロクジュ氏は「石」と同等、それ以上の、

「神の領域」にいる男。

しかしその神の領域に導いた「石」とは一体なんなのだろう。
遥か彼方に宇宙意志のようなものを感じ、途方も無さ過ぎて考えるのはくだらないと本題に戻す。

「それで、今はどうしているのかな?」

「現在は『ロクジュノの森』に一人で暮らしているという情報です」

「森?」

つくねに反応して振り向く。怪訝な眼差しを送り、地図を開いて

「おかしいな。地図じゃこの先に森なんて無かったと思うんだけど?」

「「彼が『願った』んでしょう」」

あぁ、と一度は納得したものの、奥歯に挟まったホウレンソウは取れなかった。
どうしてそんなことを願ったのだろう。

いっそバベルの塔のごとく高い家でも建ててしまえばいいものを。

森の入り口が見え、そのすぐ横の簡素な小屋が目に止まった。

まさかあそこがロクジュ氏の家ではあるまい。

その家のドアが大きな音を立てて開き、凄まじい勢いで出てきたのは、

ライフルを構えた華奢な女だった。

「彼はあなたの願いを叶えてあげる事は出来ない!

会うことも出来ないから早々に立ち去りなさい!」

銃口をテンたちの方へと向け、獣が自分の仔を守るような強い瞳で威嚇した。

テンは手を肩の高さまで上げ、つくねに目配せをする。
つくねはそれを受け、ゆっくりと深い呼吸を始めた。
時折「何かが起動するような」モーター音を立てる。

「すみませんが、それをおろしていただけませんか?」

できるだけにこやかに警告した。








「彼は、本当に不幸だったんです。間が悪いというのか・・・・・・・・

不器用で何をやってもうまくいかなくて」

つくねを『発動』させるまでもなく、数分後には小屋の中でお茶をする事になっていた。

薫り高い、深淵の闇を思わせる真っ黒なコーヒーだった。

ミルクと砂糖を貰おうとしたがブラック派だったらしく、この家には無いと言われた。

単なる好みの問題だったので、そのまま飲むことにした。苦かった。

「それなのに、野心だけは人一倍、ううん、五倍はあったわ」

いつか大金持ちになって、みんなを見返してやるんだ、っていつも私に言ってたんですよ
と言う様はまるで死者の思い出を語る未亡人のようだった。

微笑んではいたが、テーブルの下の手は強く握り締められて、真っ白になっていた。

「けれど」

「彼だって、きっとわかってくれるって信じていました。

夢に逃げているだけなんだって、本当に頑張れば何とかなったのかもしれないのに、って。

ツいてないってあきらめてるだけなんだ・・・・・・て」

「それなのに」ついに顔を下に向け、影に目を隠した。
ため息一つとともに、代弁する。

「それなのに、都合の良い石なんかが現れてしまった、と?」

ハンカチを取り出し、大きく頷く。

「そこまではなんとかわかりましたよ。ですがなぜ彼はこんなところに住んでいるんですか?
彼なら全世界を支配し、豪奢なお城で贅沢三昧することも出来たでしょうに」

「人と・・・・・・・・・触れ合わない為です」

「?」

「彼は、誰とも関わらないと決めたからここにいるんですよ・・・・・・」

そこまで言って、ついに声を上げて泣き始めた。

「結局あのあのひとはっ、・・・・・・・・・ななにもかも、うま、く行かなかった!

アレのせいで、余計にメチャクチャよ!」

「石」は彼女に会ってから、一言も喋らない。彼女が石が喋れるとは知らないし、
知らない方がきっと互いのシアワセの為なのだろうと思った。


ただ子どものように泣く彼女の嘆きが響く。その声は彼に届いているのだろうか?

望んだ事が全て叶う。全て上手く行くはずだったのに。




「ロクジュ?」

「やぁ、ミシカ。聞いてくれるかい?」

彼が見せた笑顔。

去年の収穫祭前のこと。涼しい風がふいていたのを覚えている。

「なぁに?いつになく機嫌がいいのね。どうかしたの?」

「君、今何か欲しい物は無いか?望みはないかい?僕が何でも叶えてあげるよ」

手を大きく広げ、そのままミシカに抱きついた。

「ちょ、待って。何?何の冗談なのよ」

にこやかな笑顔でロクジュは「石」の事を話してくれた。

一つだけ願いを叶えてくれる、夢のような石。

「ふぅん・・・・・・・信じられない。まるでお伽噺ね」

「本当の事なんだよ。僕が望めばそれは何でも叶うんだ」

そう言って家の中に二人は入っていった

お茶でも淹れるよ、と言うと、ロクジュは椅子に座る。
どうして用意をしないんだろう?と尋ねようとした瞬間に、『それ』は起こった。

空間を突き破るようにあらわれたコーヒーカップと角砂糖にミルク。

「ほらね」

と、カップを彼女の方にかざす。
目を大きく見開いて椅子に着いた。カップの中から湯気を昇らせるコーヒーを見つめ

「どんな手品なの?」

「手品じゃないよ。」笑いながら二つのカップに砂糖を二かけずつ落とす。ミルクをたっぷり入れる。
黒い液体はすぐさま薄茶色に変わっていった。

それをミシカに渡す。

「本当・・・・・・・・・なの?」「あぁ」「信じられないわ・・・・・・・・・」

なんとなく芝居じみたセリフに、コーヒーの湯気を揺らすほど笑いあった。





幸せなんて、瞬きをしてたらあっというまに逃げてしまうんだ。

そんな事、言われなくても解っていたのに。

近すぎて見えなかったのかもしれない。







「ロク・・・・・・何?これ」

スコーンと手作りジャムを携えて彼の家に来ていた。

彼の大好物。甘いコーヒーと一緒に飲むのが好きだということは知っていたし、
機嫌の悪い時もたちどころに直ってしまう
魔法の薬だった。

「やぁ、ミシカ、こっちにおいで?」

けれど今は彼の口におさまる事なく、土の上に転がった。

それを気にする事も無く、他の物に目を奪われていた。

開けたドアからこぼれる、薄茶色をした紙の波。

「こんな大金、どうしたって言うの!」

質問に答えずに、紙幣を水のように舞い上がらせる。
顔を緩ませ、まるでおもちゃで遊ぶ子供みたいだ

「答えて!」

「ほしいと思ったら出てきたんだ。すごいだろ?」

血の気が一気に引いていくのが解った。

恋愛というのは血液でするものなのかもしれない。
好きだと思って心臓が高鳴り、体中を血液が巡っていき、
好きではないと思った時、血液は止まっているのではないだろうか。

なんて人なんだろう。

なんと堕落した人だったんだろう。

ここまでこの人が最低な人間だなんて思わなかった。

「・・・・・・・・・ロク、こんな事はやめて。こんな方法でお金を手にいれて、何が嬉しいって言うのよ!」

横たわるロクジュを無理矢理に起こし、肩を掴んだ。

こんなのはロクジュじゃない・・・・・・・

前の彼に戻ってほしい――――

真摯な眼差しを送り続けるが、その思いは虚しく終わる。

肩に乗せられていた手を払い、ロクジュは立ち上がる。

「まったく君はうるさいなぁ。いいじゃないか、このくらいのいい思いをしたってさ」

「良くなんてない!どうして・・・・・・・・・・どうして・・・・・・・・・」

どうして変わってしまったの?

言葉の代わりに流れた涙が紙幣に染みる。

次から次へとこぼれて染みる。

けれど、涙も言葉も、欲という黒い殻に閉ざされた彼の心までは届かない。
「うるさいな!」「・・・・・・・・っロク・・・・!」

「『も う 帰 っ て く れ 』!」

言葉が発せられた瞬間、体ががくんと浮き、気付いた時にはドアの外まで吹き飛ばされていた。

「ロ・・・・・・・・」

背中に走った鈍痛に言葉を奪われ、視界が霞む。

一瞬だけ悲しそうなロクジュの顔がうつったけれど、すぐにドアが自動的に閉まってしまった。








次の日から、彼の元へ行く事ができなくなっていた。

近付こうとしてもまるで結界が張られているように家に近付く事すらできない

彼が願った為なのか、彼女自身の心の壁なのか。

それは解らない。

なんということなのだろう。

今やロクジュはロクジュではないのか。無力な彼女の手に届く物では無いのか。




もうあの人に会う事は叶わないのだろうか。スコーンを食べながらコーヒーを飲むことも
他愛ないおしゃべりをすることも、あたたかな腕に抱きしめてもらう事も・・・・・・・・・

そう思うと、赤く腫れた瞳が泣き出した。
悲しい。悲しい。悲しい。

悲しい。




つっかえ棒が急に消え、はたりと倒れて起き上がれない。

私は、私達というものはこんなにも弱いものだったのか。



「ミシカ?」

どうする事もできず、途方にくれていた彼女の元に、一筋の光が差し込んできた。
聞きなれた声。

「・・・・・・・・・・・・・・・イエン」

「最近様子がおかしいって聞いたから。なにかあったのか?」

栗色の、軽くウェーブがかった青年がドアから控えめに顔を覗かせていた。

青い瞳の綺麗な青年で、整ってはいるのだが、どこかあどけなさを残している。

ロクジュとミシカの共通の友人。イエンだ。

彼の瞳を見て、それは神の使わした最後のチャンスだと、
悲しみの沼から出る為の蜘蛛の糸と成り得るのは、イエンだけだ、と確信する。

「イエン!あなたに頼みがあるの、お願い、私を・・・・・・・いいえ、

あの人を助けてあげて!」

「へ?」

すぐさま机へと、滑るように走り、引き出しから便箋を引っ張り出す。

想いをこの紙とイエンに托そう。このままでは二人の関係は途切れてしまう。
自分の素直な気持ちを書こう。

昔のあなたに戻って欲しいと。

彼の笑顔を精一杯に思い浮かべ、今の自分の中のものをその紙に全て染み込ませていった。

事情が飲み込めないイエンは怪訝な表情を浮かべるだけだ。


「これをロクに届けて欲しいの」

「僕がか?どうして君が行かないんだ」

「私じゃもうダメなの。あなたじゃなきゃだめなの」

おねがい、とついには膝を折り、祈るように頭を下げた。
それに狼狽し、半ば勢いでイエンはそれを承諾する。








本当は優しい人だったから、ロクジュもきっと解ってくれる。
私の気持ちをきちんとわかってくれるにちがいない。

そう信じてやまないのだった。





けれどもだんだんとそれはすぐに心配へと変わった。

夜になってもイエンは帰って来ない。

―― 一体どうしたのかしら・・・・・・・・・・・――

友人同士語り合っているとは到底思えない。それだったらまっさきに彼女を呼ぶに違いないし。




窓からそわそわした気持ちで月を眺めていると、体がびくん、と大きく痙攣した。

「ロクジュ?」

呼んでいる。








ロクジュが私を、呼んでいる。








サンダルを引っ掛け、慌てるように家を飛び出した。

体と心が離れて行動しているような違和感はあったが、


頭の中はロクジュの事で満たされ、他の事を考える余裕などどこにも無かった。


ロクジュ



ロクジュ




ロクジュ


 

・・・・・・・









「ロクジュ!!」

息を切らせながら彼の家のドアを開ける。
伝記を付けてない上に月が陰って部屋の中は真っ暗だった。

「あぁ、やっぱり望んだら来てくれたんだ・・・・・・・・・」

弱々しいロクジュの声が聞える。ただ、耳を澄まさないと聞えないほどにそれは小さい。

「そこにいるのね?ロク。一体どうし」

何かが足に当たった。

月が雲間から覗き、光が部屋の中に差し込んできた。

床に転がった、赤色をしたイエンの姿を、淡い光が照らし出す。

「・・・・・・・・・・・・・・・・っ」

その肉は大きく眼を見開き、首はねじれ、手足は違う方向へ歪曲し、

体中から血を噴出したあとが残っていた。

「ごめん。君からの手紙は見る事が出来なかった――――

白い便箋は赤黒い色に染まっている。その紙に染めた想いも、

その血に固められて覆われてしまったのか。


「これは、どういうことなの?」

「・・・・・・・・・殺すつもりなんて無かったよ」

椅子に座り、呆然とイエンと眺めるロクジュ。

「イエン、君の事が好きだったんだって。」

「?」

「『僕だったら彼女を泣かせるような事はしない。だから僕はミシカと付き合う事にするよ』って。」

「・・・・・・・なんなの?それ」

「僕も知らなかった。それで、よくわからなかったけど、君を取られるってことだけはわかった。

だから、イエンは、邪魔だって思った。

こんな僕を嫌いになって、君はイエンと一緒になると思った」

小さな声は震えている。

隙間風が彼女の髪をひと撫でしていく。

「それが、すごく怖かった。

すごく、嫌だった。

だから、

だから・・・・・・・・





死ねばいいって、思った」






「ミシカ、もう僕はダメなんだ。

少しでも他人の死を望んだら、みんな殺してしまうんだよ。

本当にかすかに邪魔だと感じだただけでさ

そんな人間は、嫌いだろう」

「そんな事・・・・・・・・そんな事」

こぼれそうな涙を呑む

「そんな事あるわけないでしょう!あなたが好き。愛している。

どんな人間になり下がったって忘れられないほどに愛している!」

嗚咽が洩れる。

けれど、落ち着いた声で

「ありがとう。ミシカ」

とだけ呟いて、それきり黙ってしまった。

「そうだ。そうだわ。

ねぇ、『普通の人間に戻して欲しい』と願えば元に戻れるわ。

それにその前に、イエンを生き返らせることだって」

「できないんだ」






「え?」

「最初に石と契約を結んだんだよ。

『君が願った望みはあまりに力が大きすぎる。

だから2つだけ誓約をしないと力が体内で暴発してしまう』とね。

その二つというのが一度願ったものを取り消す事は出来ない、

自然の摂理に反する事は願っても叶わない

というものだった。

死者はよみがえらない。一度願ったら取り消せない。

砂時計は上から下へ流れる事しか出来ないんだ」






「ミシカ」

「なぁに?」

「僕は君の事を愛している」




「だから、もう二度と君には会えない」

「どうしてっ!」

「僕はもう、誰も嫌いたくない。

一瞬すらも憎んではならない。だから、君と一緒にいたら必ずいつの日にか君を殺す事になる」

「私は構わないわ!あなたに殺されようと、

あなたの近くにいられないなら、生きている事に何の意味があるって言うのよ?」

「ミシカ、これは僕のエゴだ。君を殺してしまったら、僕はきっと世界の全てを敵に回してしまう」

 

そしてゆっくりと語りかけてきた。

「僕はね、僕は君だけでなく、全ての人間を愛してる」



「僕はいつも負けてばっかりで、馬鹿にされ続けてきたけど。

凄く悔しくて憎らしいのは僕を罵倒してきた人たちじゃない。

無力な自分自身だ。

今まで関わった、そして関わる事の無かった全ての人間が大好きだと思う」



「本当はね、こんな僕は死ぬべきだ。

けれど、僕は臆病で、

死ぬのが怖くて、

自分すらも愛していた。

それは、幸せな事なんじゃないかな」

「そんなのおかしい!どうしてあなたばかりが苦しまなくてはならないの?

どうしてあなただけが」

そう言い終わると、ロクジュは苦笑し、「愛しているよ、そして、愛し続けるよ。ミシカ」

と残し、一瞬にして消えた。

消えたのではなく、彼女が違う場所に放り出されたのだ、と気付いたのは、晴れた夜空を見た時。

ゆっくりと体を起こし、辺りを見回す。

小高い丘の上。

二人で来たことのある、思い出の場所でもあった。

そして、そこから下を眺めると

ロクジュの家があるべき場所は、木々に包まれていた。








コーヒーは適温よりも少しぬるい。

「だから私はすぐ近くにいることにしたんです」

他人が大好きなのに、側にいることは叶わない。

愛故の逃避。

彼は幸せなのか。

大好きな人達に触れる事が出来ないのは不幸せだが、
大好きな人達が傷付く様を見ないのは幸せだ。

彼は今もきっと、人のぬくもりを欲しながらも精一杯にそれを押し殺し、
冷たい幸福と暮らしているのだろう。

「よくわかりました。
ロクジュさんの願いがかなったあとのお話を聞けたので、私達はそろそろ失礼させていただきます」

つくねとテンが立ち上がる。

「ねぇ、テンさん」

「はい」

「あなたは何を望むつもりなのですか?」

「それはまだ決めていません」

だったら、と小さな声で言う。

ポケットに手を入れ、何かを握り締めると、一気にテンの方まで距離を詰める。

果物ナイフの切っ先をテンの喉に触れる寸前までつきつけ

「あの人の願いを取り消してあげて!普通の人間に戻してちょうだい!

石ならそれもできるはずでしょう?それをあなたの願いにして!」

「ミシカさん。これは警告です」

「っ?」

「十秒以内にそれを捨ててください。
でないと・・・・・・・」







「でないと?」







「ざく」

テンの擬音語に重なるように、何かが何かをさばく音がした。







「つくね、まだ早いんじゃ」

「いいえ、テン様が警告なさった時点から確かに十秒経っています。

ナイフをむけた時点で発動させても構わなかったのですが、
極力、人は殺さないというのがご命令ですので」

つくねの右手は真っ赤に染まり、鮮血を滴らせていた。

「それじゃ、洗ったら行こうか」

「「そうしましょう」」

石がようやく喋った。






入り口に小さな墓標があるロクジュノの森には男が一人住んでいる。

その男は何でも願いをかなえる事が出来る賢者で、旅人達や強欲な人間が彼の元を訪ねる。

ただ、その森には賢者の不思議な結界が張ってあり、並大抵のものは近付く事もできないという。

そんな話を、風の噂で聞いた。

 

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てなわけで。こんな感じでス。

つーかアドレス、みてくれました?このお話のファイル名はBUMPOFCHICKENの

「title of mine」から引用しちゃいました(笑)

 

人に触れていたい、という望みあたりが共通していたので。



そういえばミシカさん、最後死んじゃいましたね。本当は殺すつもりじゃなかったんですよ、
信じてください刑事さんっ(誰だよ



でもミシカは彼の為なら誰でも殺せますし、彼が助かる可能性を見つければ、どんな手段をとっても
それを使おうとします。

だから絶対テンに「彼を普通の人間に戻して欲しい」という願いを頼むでしょうし。

そしたらテンの旅も終わってしまいますし。

ということでつくねさんに殺してもらいました。

・・・・・・・・・というかつくねさんは凄い人ですよ。

 

それではまたいつの日か(待て